日本のミニバンはミニバンではない。
日本の自動車業界において、今ではファミリーカーの定番となっているミニバンですが、日本の自動車メーカーで作られているミニバンといわれる車は本当のミニバンではありません。
そもそもミニバンというのは、アメリカで生まれた名前で、日本でいうところのマイクロバスぐらいのボディサイズを持つ大型ワゴンのことをアメリカでは「バン」と呼び、それがあまりにも大きすぎて使い勝手や取り回し、保管場所、燃費などにおいて不自由なことから、それよりも一回り小さな「バン」を作り、小さな「バン」ということから「ミニバン」といわれるようになったのです。
従って、ミニバンには元となるそれよりも大きなワゴン車の存在が不可欠なのです。
しかし、日本のミニバンは、元をたどれば今のミニバンよりも小さな商用ワンボックスバンがベースとなっており、そのワンボックスバンを乗用車化したワンボックスワゴンを更に大型化したものなのです。
それがミニバンといわれるようになったのは、丁度大型ワンボックスワゴンが注目を浴び始めていた時に、日本の安全基準が改正になり、フロント部分の安全性を確保するためにわずかながらのボンネットを付けたことによって、純粋なワンボックスワゴンではなくなってしまったのですが、その際にある自動車メーカーが同じ1.5ボックス形状のアメリカのミニバンを見て、販売戦略上「ミニバン」と呼び始めたのが始まりなのです。
ですので、日本のミニバンというのは「ミニバン」と呼ぶのはちょっと違うことになり、正確にいえば「大型ワンボックスワゴン」というのが正しいかと思われます。